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電帳法対応、プロダクトとして「何ができていれば対応済み」と言えるのか

プロローグ ── 「対応していますか?」に答えられないという困りごと

プロローグ ── 「対応していますか?」に答えられないという困りごと

こんな状況に心当たりはないか

バックオフィス系の SaaS を作っていると、営業の場でも顧客のセキュリティチェックシートでも、ほぼ必ず聞かれる質問があります。

「御社のプロダクトは電子帳簿保存法に対応していますか?」

これにスパッと答えられるエンジニア・PdM はそう多くないと思います。私自身、この質問を受けて

  • 「対応している」とはそもそも何を指すのか
  • 法律の何条のどの要件を満たしている必要があるのか
  • JIIMA 認証を取らなければ「対応している」と名乗れないのか
  • 取らなくても問題ないなら、何をもって「対応済み」と説明するのか

このあたりが言語化できていなくて言葉に詰まった経験があります。

法律の話なので「税理士に聞いてください」で済ませることもできるのですが、プロダクトを作る側としては、自分たちのプロダクトを電帳法のどの要件にマッピングし、どこまで実装すれば「対応済み」と説明できるのか、自前の地図を持っておきたい。本シリーズはその地図を作るための整理です。

このシリーズのゴール

読み終わった時点で、次のことができるようになることを目指します。

  • 電帳法の 3 つの区分 を区別し、自社プロダクトがどこに該当するか即答できる
  • 何が 義務 で、何が 任意 で、何が やるとお得 なのかを言い分けられる
  • 自社プロダクトの対応状況を レベル 0〜4 で自己診断できる
  • 「対応している」と顧客に説明する際の根拠を、一次情報(国税庁・JIIMA)に紐付けて示せる

対象読者・難易度・読了時間

項目内容
対象読者SaaS・業務システムのエンジニア / PdM / EM。経理担当者ではなく、プロダクトを作る側
前提知識特になし。法律用語は都度定義します
難易度★★★☆☆
読了時間約 25 分
対象時点2026 年 5 月時点(令和 7 年度税制改正を反映、ただし令和 7 年度改正の本格適用は 2027 年 1 月から)

シリーズ構成

1. プロローグ ── 「対応していますか?」に答えられないという困りごと(本章)
2. 電子帳簿保存法とは何か ── 法律の正体と改正史
3. 3 つの区分を理解する ── 何が義務で、何が任意か
4. 守らなければならない要件 ── 真実性 × 可視性
5. 違反したら何が起きるのか ── 罰則の実像
6. プロダクトが対応するまでの流れ ── 5 ステップの実装フロー
7. 対応レベル 0〜4 の自己診断 ── 自社プロダクトを格付けする
8. JIIMA 認証は取るべきか ── 任意の民間認証との付き合い方
9. エピローグ ── 「対応している」と言える根拠を持つ

法律の話なので、本シリーズは 国税庁の一問一答および JIIMA の一次情報 に紐付けて書いています。最終章末尾に出典をまとめているので、自社で正式な見解を出す際はそちらに当たってください。

それでは、次章で電帳法そのものの全体像を 5 分で押さえます。